1.標識等の掲示義務等
(1)標識の掲示
古物商又は古物市場主は、それぞれ営業所若しくは露店又は古物市場ごとに、公衆の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければなりません。(法12条第1項)
国家公安委員会規則で定める標識の様式とは、古物営業法施行規則第10条で定められた様式(別記様式第12号)です。
【参考】警視庁HP(標識の様式)
福島県であれば、福島県防犯協会連合会やインターネットなどでも購入できます。要件さえ満たしていれば、ご自分で作成したものでも構いません。
(2)ホームページを利用して古物の取引を行う場合
ホームページを利用した取引を古物商や古物市場主が行う場合には、取り扱う古物に関する事項と共に、その氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号をそのホームページ上に表示しなければなりません。(法第12条第2項)
この許可証の番号等は、取り扱う古物に関する事項と共に表示しなければなりませんので、古物を掲載している個々のページに表示するのが原則です。ただし、以下の方法でも認められます。
■トップページに表示する
次の3点をトップページに表示する必要があります。
➀古物商等の氏名又は名称 ②公安委員会の名称 ③許可番号
■トップページ以外のページに表示し、そのページへのリンクをトップページ配置する
トップページに「古物営業法に基づく表記」等のリンクを表示し、そこをクリックしたページに次の3点を表記することが必要です。
(※「会社概要」等に表示しているだけでは違反になります。)
➀古物商等の氏名又は名称 ②公安委員会の名称 ③許可番号
インターネットを利用する古物の販売については、「特定商取引に関する法律」の規制を受けますので、「特定商取引に関する表記」も必要となります。
詳しくは、消費者庁HP「インターネットで通信販売を行う場合のルール」へ
2.管理者の選任義務
古物商又は古物市場主は、営業所又は古物市場ごとに、その営業所又は古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者一人を選任する義務があります。(法第13条第1項)
必ずしも事業主や役員でなくてもかまいませんが、その営業所等の古物取引に関して管理・監督・指導ができる立場の方であることが必要です。
遠方に居住している、又は勤務地が違うなど、その営業所で勤務できない方を管理者に選任することはできません。また、原則として、他の営業所との掛け持ちもできません。
■管理者になれない人
次に該当している場合は、管理者になることができません。(法第13条第2項)
1. 未成年者
2.法第4条1号から第5号までのいずれかに該当する者
➀成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
② 禁錮以上の刑に処せられ、又は財産犯罪等(背任罪、遺失物横領罪、盗品譲受等の罪)を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者
※執行猶予期間中も含まれます。執行猶予期間が終了すれば選任できます。
③住居の定まらない者
④古物営業の許可が取り消されてから5年を経過していない者
※許可の取消を受けたのが法人の場合は、その当時の役員も含みます。
⑤古物営業の許可の取り消しをする日までに許可証を返納した者で、当該返納の日から起算して5年を経過しないもの
■古物商等には管理者を教育する努力義務がある
古物商等は、管理者に取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験を得させるよう努めなければなりません。(法第13条第3項)
これを受けて古物営業法施行規則第14条では、当該知識、技術又は経験とは、自動車、自動二輪車又は原動機付自転車を取り扱う営業所等の管理者については、不正品の疑いがある自動車、自動二輪車又は原動機付自転車の車体、車台番号打刻部分等における改造等の有無並びに改造等がある場合にはその態様及び程度を判定するために必要とされるものであるとしています。
又、当該知識、技術又は経験を必要とする古物営業の業務に3年以上従事した者が通常有し、一般社団法人又は一般財団法人その他の団体が行う講習の受講その他の方法により得ることができるものとしています。
3.取引の相手方の確認と申告義務
古物の取引には盗品などが紛れ込むおそれがあり、これを防止するため、古物商が古物の「買い受け」・「交換」又は「売却」・「交換の委託」などを受けようとする場合には、取引の相手方を確認する義務があります。(法第15条第1項)
また、盗品などの不正品の疑いがある場合には、警察官に申告する義務があります。(法第15条第3項)
(1)相手方を確認するための措置
➀相手方の住所、氏名、職業及び年齢(以下「住所等」という)を確認する。
身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証などの提示を受けて確認する。(施行規則第15条第1項)
②相手方からその住所等が記載された文書の交付を受ける。
古物商等の面前で、ボールペンなどの改ざんできない筆記用具を用いて、相手方の住所等が記載された文書へ署名させることにより確認する。(施行規則第15条第2項)
③相手方から住所等が記された電子署名付き電子メールの送信を受ける。
④上記に準ずる措置として古物営業法施行規則で定める方法により確認する。
ア.相手方から、その住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともに、その印鑑登録証明書及び当該印鑑登録証明書に係る印鑑を押印した書面の交付を受けて確認する。(施行規則第15条第3項第1号)
イ.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、並びにその者に対して、本人限定受取郵便物等を送付し、かつ、その到達を確かめること。(施行規則第15条第3項第2号)
ウ.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、並びにその者に対して金品を内容とする本人限定受取郵便物等を送付する方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。(施行規則第15条第3項第3号)
エ.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその住民票の写し、住民票の記載事項証明書、戸籍の謄本若しくは抄本、印鑑登録証明書、外国人登録原票の写し又は外国人登録原票の記載事項証明書(以下「住民票の写し等」という。)の送付を受け、並びに住民票の写し等に記載されたその者の住所にあてて配達記録郵便等で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめること。(施行規則第15条第3項第4号)
オ.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその住民票の写し等の送付を受け、並びに当該住民票の写し等に記載されたその者の氏名を名義人の氏名とする預貯金口座への振込み又は振替の方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。(施行規則第15条第3項第5号)
カ.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等その者の身元を確かめるに足りる資料の写しの送付を受け、当該資料の写しに記載されたその者の住所にあてて配達記録郵便物等で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめ、並びに当該資料の写しに記載されたその者の氏名を名義人の氏名とする預貯金口座への振込み又は振替の方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。(当該古物に係る法第16条の帳簿等又は電磁的方法による記録とともに当該資料の写しを保存する場合に限る。) (施行規則第15条第3項第6号)
キ.法第15条第1項第1号から第3号まで又は前各号に掲げる措置をとった者に対し識別符号を付し、その送信を受けることその他のこれらの規定に掲げる措置をとった者を識別でき、かつ、その者に第三者がなりすますことが困難な方法により、相手方についてこれらの規定に掲げる措置を既にとっていることを確かめること。(施行規則第15条第3項第7号)
(2)申告の義務
古物商が古物の「買い受け」・「交換」又は「売却」・「交換の委託」などを受けようとする場合に、その古物が不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察にその旨を申告しなければなりません。(法第15条第3項)
※犯罪収益移転防止法における古物商及び質屋の義務等について(概要こちら)
犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)の規定により、古物である貴金属等の売買の業務を行う古物商(以下「特定古物商」という。)及び流質物である貴金属等の売却を行う質屋(以下 「特定質屋」という。)のみなさんは、本人特定事項の確認や疑わしい取引の届出の義務等が課せられています。

4.帳簿等への記録義務等
古物商等は、帳簿等を備え付け、「古物の売買」等により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、所定の事項を記録し、保存しなければなりません。(法第16・17・18条)
(1)帳簿等への記録義務
次のいずれかの方法により、所定の事項を記録する義務があります。
| 記録方法 | 古物商 | 古物市場主 |
|---|---|---|
| ・帳簿への記載 ・ 取引伝票の編綴 ・コンピュータ入力 | ①取引の年月日 ②古物の品目及び数量 ③古物の特徴 ④相手方(※例外規定)の住所、氏名、職業及び年齢 ⑤相手方の身分を確認した方法等 | ①取引の年月日 ②古物の品目及び数量 ③古物の特徴 ④取引当事者の住所、氏名 |
(2)帳簿等の保存義務等
帳簿等は最終の記録をした日から3年間営業所等で保存する義務があります。
また、帳簿等がき損等した場合は、直ちに管轄の警察署に届け出なければなりません。
5.身分確認と帳簿等への記録が免除される取引
次の場合には、身分確認と帳簿等への記録(以下「確認等の義務」という。)が免除されます。
(法第15条第2項)
(1)対価の総額が1万円未満の取引をする場合
買い取りなどの総額が1万円未満の場合には、確認等の義務が免除されます。
(施行規則第16条第1項)
ただし、次の古物に関しては1万円未満でも確認等の義務が免除されません。
(施行規則第16条第2項)
➀自動二輪車及び原動機付自転車
(これらの部分品を含む。ただし、ねじ、ボルト、ナットなどの汎用性の部分品は除く。)
②家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
(テレビゲーム、パソコンゲーム等のゲームソフトが該当します。)
③音楽や映画のCDやDVD、レーザーディスクやブルーレイディスク
(カセットテープ、ビデオテープ、FD、MD、フラッシュメモリは対象外です。)
④書籍(買取冊数が多い場合は、○○外○点等とまとめて記載できます。)
(2)古物商自身が売却した物品を当該売却の相手方から買い取る場合
古物商が古物を売った相手から、古物を買取る場合などは確認等の義務が免除されます。
(3)古物を売却する場合
古物を売却する場合は、次の古物を除き、帳簿等への記録義務が免除されます。(施行規則第18条)
➀美術品類
②時計・宝飾品類
③自動車(その部分品を含む)
④自動二輪車及び原動機付自転車(総額が1万円以上のこれらの部分品を含む)
■「法第16条第4号」の国家公安委員会規則で定める古物(施行規則第18条第2項)
古物が自動車である場合は取引の記録事項のうち、古物を売却した相手方の「住所、氏名、職業及び年齢」の記録が免除されます。自動車については独立した登録制度があり、相手方を特定することが可能なためです。
6.その他の遵守事項
(1)行商・競り売りの際の許可証等の携帯義務(法第11条)
古物商は、「行商」又は「競り売り」をするときは、許可証を携帯しなければなりません。
従業員等に行商をさせる場合には、当該従業員等には古物営業施行規則で定める様式(施行規則第10条:別記様式第13号等)の行商従業者証を携帯させる必要があります。
また、行商の相手方から求められたときは許可証または行商従業者証を提示しなければなりません。
【参考】警視庁HP(行商従事者証様式)
福島県であれば、福島県防犯協会連合会やインターネットなどでも購入できます。
■行商とは
行商とは、営業所を離れて取引を行う営業形態をいいます。露店を出すこと、市場での売買や自動車等の訪問セールスも行商になります。
露店とは、一般公衆が往来する場所等に設けられた仮設の店舗をいいます。
(2)営業の制限(法第14条)
■古物商の営業制限
古物商は、営業所又は取引相手の住所若しくは居所以外の場所において、古物を買い受け、若しくは交換するため、又は売却若しくは交換の委託を受けるため、古物商以外の者から受け取ることができません。
■古物市場における取引制限
古物市場においては、古物商間でなければ古物を売買し、交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けることができません。
(3)名義貸しの禁止(法第9条)
古物商又は古物市場主は、自己の名義をもって、他人にその古物営業を営ませることができません。
(4)変更の届出(法第7条)
古物商等は、営業内容に変更があった場合には、公安委員会に変更届を提出しなければなりません。
変更届は、変更日から14日以内(登記事項証明書を添付すべき時は20日以内)に届出が必要です。
(5)品触れ(法第19条)
「品触れ」とは、盗品等の迅速な発見のために警察本部長等が必要があると認めたときに、古物商または古物市場主に対して被害品を通知して、その被害品の有無の確認と届出を求めることをいいます。
古物商等は品触れを受けた日から、その品触れに関する書面等を6カ月保存保管しておく義務があります。
また、古物商等は、品触れにより通知された古物を所持していたり、持ち込まれたりした場合には、直ちに警察に届け出なければなりません。
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